F1ヨーロッパラウンドもいよいよ最終戦を迎えました。前週からの連戦の舞台は伝統のイタリアのモンツァサーキットです。ロングストレートを低速シケインと中高速のカーブで繋いだレイアウトは、今やF1では唯一と言っていい高速サーキットです。当然、マシンはリアウイングを寝かせたり空力パーツを外したりと、ダウンフォースを減らしてスピードを稼ぐ方向でセッティングされますので、エンジンには前戦ベルギー以上に負担がかかります。その一方でシケインでは急激にスピードを落として通過しなければならないので、ブレーキやタイヤにもそれ相応の負担がかかります。
日本での中継では初めて、開催中ずっと雨が続いた今回のイタリアGPは、予選から波乱の連続でした。
予選第2ラウンド終了時点で、ドライバーズタイトルを争うマクラーレンのL.ハミルトンとフェラーリのK.ライコネンがトップ10に残れず、ただ1人最終ラウンドに進んだフェラーリのF.マッサも6番グリッドと奮わぬ中、ベルギーでダブル入賞を果たすなど着実に力を蓄えてきたトロロッソのS.ヴェッテルがF1史上最年少のポールポジションを獲得、僚友S.ブルデーも4番グリッドという、まさに予想外の展開を見せたのです。
そして、朝から小雨が降り続く中、セーフティカー先導でスタートした決勝レースも、セーフティカーが下がってからはポールポジションのヴェッテルが最後まで全く他を寄せ付けずにトップチェッカーを受け、F1史上101人目にして史上最年少のウィナーとなったのです。予選で他のドライバーが下位に沈んだ事やウェットコンディションに助けられた、あるいはレッドブルという潤沢なプライベートチームの後ろ盾があったからという声もありますが、天候の変化を見ながら戦略を立ててそれをしっかり実行に移すというのは、トップチームでも決して簡単なことではありません(特に今季のフェラーリはそんな感じですよね・苦笑)
レース前に立てたピット戦略を基にして、徐々に乾いてゆく路面状況とウェットタイヤの減り具合、そして残りのガソリン量を的確に把握してピットに呼び込み、コンマ1秒でも早く給油とタイヤ交換を済ませるという一連の作業を、レースの流れに応じて柔軟に対応する…チームとしてはトップチームは勿論、現在コンストラクターズポイントを争う他の中団チームに対しても充分なリソースを擁していなくとも、やるべき事をやるべき時にしっかりと実行出来るだけのチームポテンシャルがしっかりとあったからこそ、また(純粋な自前のシャシーではありませんが)トラブルさえ無ければ上位チームとも互角に闘えるだけのポテンシャルを持ったマシンだからこそ、そして経験こそ少ないものの、チームが立てた戦略を実行できるだけ実力を持ったドライバーがステアリングを握っているからこそ、これまでの努力をこのような結果に結びつける事が出来たと宗田は見ています。
2位にはハンガリーで初優勝を果たしたマクラーレンのH.コバライネンが、そして3位にはカナダで同じく初優勝したBMWザウバーのR.クビサが入り、今回のポディウムには非常に新鮮な顔ぶれが並びました。
ドライバーズタイトル争いも、今回のヴェッテルの初優勝に半ばかすんでしまった格好となりました。
ポイントリーダーのハミルトンは、15番グリッドから半ば無謀とも見えたオーバーテイク(レース後あからさまに非難するドライバーもおりました・苦笑)とギリギリまでピットインを遅らせる事で何とか7位入賞にこぎつけましたが、6番手スタートから6位入賞したポイント2位のマッサにはあと1歩届かず、この結果ハミルトンがわずか1ポイント差マッサをリードして終盤戦を迎える事となりました。
また、14番グリッドからスタートのライコネンはハミルトン同様に後方からの追い上げを見せたものの、ポイント圏外の9位完走に留まり、これで事実上タイトル争いからは脱落してしまいました。
そして、日本勢。
あまりに開いたマシンの差を雨天で多少は埋められるかと思われたホンダは、マシンセットアップの変更でピットスタートとなったJ.バトンが15位完走、16番手からスタートのR.バリチェロもイギリスと同じように早めにスタンダードウェットタイヤやドライタイヤに変えて上位を狙いましたが全て裏目で17位完走に終わってしまいました。もはや失うものは何もないし、正直ファンも飛躍的なポテンシャルアップは残念ながら期待してはいないでしょうから、残り4戦はある意味なりふりかまわずで日本のモータースポーツの代名詞に恥じない走りを見せて欲しいです。
中団グループで頭一つ抜け出た格好のトヨタは、予選でJ.トゥルーリが7番手、T.グロックが9番手と共にトップ10からスタート、エクストリームウェットタイヤのまま1回ピットイン作戦をとったものの、予想外の路面の乾きにスタンダードウェットタイヤ交換を余儀なくされ、結局トゥルーリが13位完走、グロックが11位完走と予選の好グリッドを生かせませんでした。予定外のタイヤ交換をアンラッキーと見るか作戦ミスの結果と見るかは判断が分かれるところでしょうが、お膝元での日本GPも迫る中、気持ちを切り替えて終盤戦に臨んで欲しいです。
バトンと同じくセットアップ変更でピットスタートとなったウィリアムズの中嶋一貴クンは、前半ペースが上がらなかった事が最後まで響いて、12位完走に終わりました。ムラのあるマシンパフォーマンスに振り回されて未だに実力が充分発揮出来ていない様に見えるのが少々気懸かりですが、こちらも初のホームグランプリに向けて、ドライバーとして1つでも上のステップに上がってくれることを期待します。
最後に宗田的に…現在発売中のF1情報の月刊誌「グランプリトクシュウ」に「日本GPに向けてどんな準備をする?」というお題に投稿したコメントが掲載されました(笑)
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