通算24回目の日本でのF1レースは、昨年に続いて富士スピードウェイでの開催となります。一見すると1.5kmのロングストレートが目立つ単調なレイアウトに見えますが、コース後半に進むにつれて低速コーナーやテクニカルセクションが続いて、1周のタイムのまとめ方が難しいコースです。それは当然、エンジンやブレーキにも負担をかけますし、マシンセッティングが簡単ではない事を意味します。また、高低差が大きい事もドライビングを更に難しくしますし、さらに富士山の麓だけに昨年の大雨のような天候もレースを左右します。
幸い雨には降られなかったものの、曇天で気温が低い中スタートした決勝レースは、オープニングラップから思わぬ展開となります。ポールポジションスタートのマクラーレンのL.ハミルトンが出遅れ、2番手スタートのフェラーリのK.ライコネンが前に出ますが、第1コーナーの飛び込みで遅れを取り戻そうとハミルトンが強引にインにマシンを割り込ませたことで、ライコネンやチームメイトのH.コバライネン等他のマシンをコース外に押し出し、更に自分自身もコースオフして順位を下げると言う大失態を演じます。
更に次の周には、ハミルトンとタイトルを争うフェラーリのF.マッサがそのハミルトンを強引に抜こうとして接触、ハミルトンはスピンして更に順位を下げてしまいました。
以上の行為に対して、ハミルトンもマッサもドライブスルーペナルティを受ける事となり、レースの主役になるはずであった2人は序盤で優勝争いから脱落してしまいます。
そんな混乱の中で6番手スタートのBMWザウバーのR.クビサがトップに立ちましたが、それに続いた4番手スタートのルノーのF.アロンソはピット作業で見事な逆転劇を演じます。クビサの1周後でピットに入ったアロンソは、短い作業時間でクビサの前でコースに戻ると、ポテンシャルでは劣るマシンに鞭打ってクビサとの差を広げると、かつてワールドチャンピオンを獲得した時を彷彿させるドライビングを最後まで見せて、前戦に続き誰もが予想しなかった2連勝を果たしたのです。
アロンソにかわされた後は最後まで追いつけなかったクビサですが、2回目のピット作業を終えた時点ですぐ後ろに迫られたライコネンを何とか抑えきって2位を死守しました。
ライコネンもオープニングラップでハミルトンの割を食って順位を下げたものの、その後はここ数戦の不振を振り払う走りを見せてくれましたが、肌寒い天候のせいかマシンが今一つ速さに欠け、3位表彰台が精一杯でした。
一方、序盤で早々に後方に沈んだハミルトンはそのまま12位完走でノーポイントに終わり、マッサもペナルティで順位を落とした後は8位で完走(その後、トロロッソのS.ブルデーへのタイム加算ペナルティで7位入賞)がやっとという有様で、タイトル争いの白熱したレースを期待したファンの期待を大きく裏切ってくれました。
そして日本勢。
相変わらずフリー走行時からずっと後方に低迷していたホンダは、J.バトンが18番手から14位完走、R.バリチェロが17番手スタートから13位完走と全くいいところがありませんでした。残り2戦をこのまま見る影なく終えるのか、それともプライドと意地を見せてくれるのか、宗田としてはもちろん後者に賭けたいのですが…。
対照的にフリー走行から好調さを見せていたトヨタは、J.トゥルーリが7番グリッドから5位入賞を果たしましたが、T.グロックは序盤でリタイアに終わってしまいました。実際はトゥルーリの入賞も2回目のピット作業でコンストラクターズポイントで4位を争うルノーのN.ピケに先行されてしまっての結果だけに、地元で入賞した喜びよりも獲得したポイントの低さへの悔しさの方が大きかった事でしょう。
14番グリッドからスタートしたウィリアムズの中嶋一貴クンは、オープニングラップでスピンしたレッドブルのD.クルサードを避けきれずにマシンを破損、緊急ピットインでフロントノーズを交換した後も接触でマシンにダメージがあったのか、精彩を欠いた走りで完走車中最下位の15位で初めてのホームグランプリを終える事となりました。国際映像では僚友のN.ロズベルグ(11位完走)が他のマシンとバトルするシーンが多く映されていただけに、納得するドライビングを地元のファンに披露出来なかった事は何より悔しかったに違いありません。ぜひとも、残りの2戦でこの屈辱を晴らすドライビングを見せて欲しいものです。
最後に、宗田的に…普段はCS中継で冷静にコメントしてくれる今宮さんが、「現在誰が1番速いのかを見せてくれた」とアロンソを賞賛する一方で、今回のハミルトンとマッサについて「このままではワールドチャンピオン該当者なし」と珍しく厳しいコメントを口にしたのが非常に印象的でした。確かに、今回のようなお粗末なレース展開を見せるドライバーがワールドチャンピオンを獲っても、ファンは(少なくとも宗田は)納得しないでしょうねぇ(苦笑)
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