2008年10月12日

第16戦 日本GP決勝



通算24回目の日本でのF1レースは、昨年に続いて富士スピードウェイでの開催となります。一見すると1.5kmのロングストレートが目立つ単調なレイアウトに見えますが、コース後半に進むにつれて低速コーナーテクニカルセクションが続いて、1周のタイムのまとめ方が難しいコースです。それは当然、エンジンやブレーキにも負担をかけますし、マシンセッティングが簡単ではない事を意味します。また、高低差が大きい事もドライビングを更に難しくしますし、さらに富士山の麓だけに昨年の大雨のような天候もレースを左右します。

幸い雨には降られなかったものの、曇天で気温が低い中スタートした決勝レースは、オープニングラップから思わぬ展開となります。ポールポジションスタートのマクラーレンのL.ハミルトンが出遅れ、2番手スタートのフェラーリのK.ライコネンが前に出ますが、第1コーナーの飛び込みで遅れを取り戻そうとハミルトンが強引にインにマシンを割り込ませたことで、ライコネンやチームメイトのH.コバライネン等他のマシンをコース外に押し出し、更に自分自身もコースオフして順位を下げると言う大失態を演じます。
更に次の周には、ハミルトンとタイトルを争うフェラーリのF.マッサがそのハミルトンを強引に抜こうとして接触、ハミルトンはスピンして更に順位を下げてしまいました。
以上の行為に対して、ハミルトンもマッサもドライブスルーペナルティを受ける事となり、レースの主役になるはずであった2人は序盤で優勝争いから脱落してしまいます。

そんな混乱の中で6番手スタートのBMWザウバーのR.クビサがトップに立ちましたが、それに続いた4番手スタートのルノーのF.アロンソはピット作業で見事な逆転劇を演じます。クビサの1周後でピットに入ったアロンソは、短い作業時間でクビサの前でコースに戻ると、ポテンシャルでは劣るマシンに鞭打ってクビサとの差を広げると、かつてワールドチャンピオンを獲得した時を彷彿させるドライビングを最後まで見せて、前戦に続き誰もが予想しなかった2連勝を果たしたのです。
アロンソにかわされた後は最後まで追いつけなかったクビサですが、2回目のピット作業を終えた時点ですぐ後ろに迫られたライコネンを何とか抑えきって2位を死守しました。
ライコネンもオープニングラップでハミルトンの割を食って順位を下げたものの、その後はここ数戦の不振を振り払う走りを見せてくれましたが、肌寒い天候のせいかマシンが今一つ速さに欠け、3位表彰台が精一杯でした。

一方、序盤で早々に後方に沈んだハミルトンはそのまま12位完走でノーポイントに終わり、マッサもペナルティで順位を落とした後は8位で完走(その後、トロロッソのS.ブルデーへのタイム加算ペナルティで7位入賞)がやっとという有様で、タイトル争いの白熱したレースを期待したファンの期待を大きく裏切ってくれました。

そして日本勢。
相変わらずフリー走行時からずっと後方に低迷していたホンダは、J.バトンが18番手から14位完走、R.バリチェロが17番手スタートから13位完走と全くいいところがありませんでした。残り2戦をこのまま見る影なく終えるのか、それともプライドと意地を見せてくれるのか、宗田としてはもちろん後者に賭けたいのですが…。
対照的にフリー走行から好調さを見せていたトヨタは、J.トゥルーリが7番グリッドから5位入賞を果たしましたが、T.グロックは序盤でリタイアに終わってしまいました。実際はトゥルーリの入賞も2回目のピット作業でコンストラクターズポイントで4位を争うルノーのN.ピケに先行されてしまっての結果だけに、地元で入賞した喜びよりも獲得したポイントの低さへの悔しさの方が大きかった事でしょう。
14番グリッドからスタートしたウィリアムズの中嶋一貴クンは、オープニングラップでスピンしたレッドブルのD.クルサードを避けきれずにマシンを破損、緊急ピットインでフロントノーズを交換した後も接触でマシンにダメージがあったのか、精彩を欠いた走りで完走車中最下位の15位で初めてのホームグランプリを終える事となりました。国際映像では僚友のN.ロズベルグ(11位完走)が他のマシンとバトルするシーンが多く映されていただけに、納得するドライビングを地元のファンに披露出来なかった事は何より悔しかったに違いありません。ぜひとも、残りの2戦でこの屈辱を晴らすドライビングを見せて欲しいものです。

最後に、宗田的に…普段はCS中継で冷静にコメントしてくれる今宮さんが、「現在誰が1番速いのかを見せてくれた」とアロンソを賞賛する一方で、今回のハミルトンとマッサについて「このままではワールドチャンピオン該当者なし」と珍しく厳しいコメントを口にしたのが非常に印象的でした。確かに、今回のようなお粗末なレース展開を見せるドライバーがワールドチャンピオンを獲っても、ファンは(少なくとも宗田は)納得しないでしょうねぇ(苦笑)
posted by 宗田本一郎 at 22:42| Comment(18) | TrackBack(1) | 2008年シーズン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第16戦 日本GP予選



今年もいよいよ日本GPが始まりました。心配されていた天候も金曜の夜に雨が降っただけで、大きな混乱も無く予選を迎えました。

出走20台から15台に絞り込む第1ラウンドでは、フォースインディアとホンダの各2台とBMWザウバーのN.ハイドフェルドが落ちてしまいました。
コンストラクターズタイトル争いでテールエンドを争う2チームの脱落は予想がつきましたが、ハイドフェルドの脱落は正直意外でした。来シーズンのシートが確定したとは言え、今季僚友のR.クビサに注目が集まってきただけに先輩としての意地を見せられなかった分、ハイドフェルドとしては悔しかったでしょう。
あとは、タイトルを争うマクラーレン勢とフェラーリ勢を押しのけてここでトップタイムをマークしたトヨタのT.グロックに、地元GPで何としても上位を狙おうというチームの意気込みが感じられました。

15台からトップ10に絞り込む第2ラウンドでは、レッドブルウィリアムズの各2台とルノーのN.ピケが脱落となりました。
今回唯一の日本人ドライバーとなった中嶋一貴クンは力及ばず14番グリッドに沈みましたが、コメンタリー陣が期待していたチームメイトのN.ロズベルグより(1つだけですが・苦笑)前のグリッドでのスタートとなったのは、少しながら良い兆候と言えるでしょう。

そして、最終ラウンドでポールポジションを獲得したのはマクラーレンのL.ハミルトンでした。昨年の雨の決勝を征して、本人も富士スピードウェイに対して好印象を持っている様ですし、チームも余裕を持って今回のレースに臨んでいる様ですから、さすがに1発の速さは見事の一言に尽きます。
一方で、ハミルトンとチャンピオンを争うフェラーリのF.マッサは5番グリッドに沈んでしまい、決勝では苦しい闘いを強いられそうです。今シーズンタイトル連覇から完全に脱落した僚友K.ライコネンが2番グリッドに入ったとはいえ、ハミルトンのチームメイトのH.コバライネンが3番グリッドにいる分、レース序盤でどこまで追い上げられるか、またどのようなピット戦略でポジションを上げるか、そしてライコネンにどこまでマッサのフォローとなるドライビングが出来るかが鍵となりそうに思います。
また、2台揃ってトップ10に入ったトヨタ勢はJ.トゥルーリが7番手、グロックが8番手からのスタートとなります。フリー走行と予選第1ラウンドで見せた好調さをしっかり決勝でも活かせれば、表彰台も決して無理ではないと思います。
あとは、前戦シンガポールでの優勝でまた一皮剥けて波に乗っている4番グリッドのルノーのF.アロンソや、前半戦の台風の目だった6番手のBMWザウバーのクビサ、そして後半戦の台風の目となったトロロッソ勢(S.ヴェッテルが9番手・S.ブルデーが10番手)のそれぞれの走りにも注目したいです。
posted by 宗田本一郎 at 11:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年シーズン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月30日

第15戦 シンガポールGP



F1はいよいよ終盤戦に突入、アジアと南米でのフライアウェイ4戦を残すのみとなりました。その初戦の舞台は初開催となるシンガポールの市街地コースです。先日のバレンシアの様に、海に面したマリーナ・ベイに設けられたサーキットは、マーライオンやラッフルズホテルといった名所が周囲に見えるだけでなく、F1史上初のナイトレース開催としてサッカー場の約4倍という明るさの照明機器が設置されました。こう書くとモナコに負けず劣らずの華やかな雰囲気がイメージされますが、一般道をクローズしてサーキットにしているのですから、パーマネントサーキットより路面が滑りやすいのは勿論、市街地特有の直角コーナーや細かい低速コーナーが随所にあり、さらに場所によってはコース幅が異なるといった点が、初開催によるデータ不足と相まってレース戦略を難しくすると言えるでしょう。

心配された雨が降ることなく開催された通算800戦目の決勝レースを征したのは、予選第2ラウンドで電気系トラブルから無念の15番グリッドに沈んだルノーのF.アロンソでした。1回目のピット作業を終えたところでチームメイトのN.ピケがクラッシュしてセーフティカーが導入されると、そのタイミングでピットインするマシンが続出する中で順位を上げ、更にセーフティカーが下がってから、1ストップ作戦のマシンのピットインやセーフティカーラン中のピットオープン前にガソリンに余裕が無くピット作業を強いられたマシンがペナルティのピットインを終えた時点でトップに立つと、終盤再度のセーフティカー導入で後続との差が無くなるピンチを迎えながらも、リスタートで見事なダッシュを決めるとそのままトップでチェッカーを受け、今季初の表彰台を昨年のイタリア以来の優勝で決めたのです。レース終了後マシンを降りてポディウムに向かう様子や表彰式での姿、そして共同記者会見で見せた表情には、昨年まで見せていた大人気ない言動は一切無く、自らが一旦離れてから戦闘力を落としたチームを再びトップチームに返り咲かせようと今シーズン努力したことから来るであろう、一回りも二回りも成長した落ち着きがありました。その姿はまさに、ベネトンでタイトルを獲得した頃の不遜な態度がフェラーリでの苦労ですっかり消えて、ワールドチャンピオンと呼ぶにふさわしい成長を見せたM.シューマッハと重なるように宗田には感じられました。
2位にはウィリアムズのN.ロズベルグが開幕戦以来となる今季2度目の表彰台を獲得しました。アロンソとは対照的にセーフティカー導入時とピット戦略が悪い形でかみ合ってしまい、ペナルティ覚悟でピット作業を敢行したのですが、セーフティカーが下がってからペナルティが実行されるまでの数周、他のマシンを引き離すだけ引き離してトップを走ったのが功を奏しての自己最高位でした。
そして3位には、現在タイトル争いでポイントリーダーのマクラーレンのL.ハミルトンが入り、貴重な6ポイントをゲットしました。

そのハミルトンを1ポイント差で追う形で終盤戦を迎えたフェラーリのF.マッサには、散々な結果が待っていました。ポールポジションから序盤レースをリードしていたものの、1回目のピット作業で何と給油ホースがついたままピットを離れてしまうという大失態を演じてしまうと、ホースを引きずってピット出口迄走った後はそれを外してもらう為に出口でストップして最後尾に下がった上に、そのペナルティでドライブスルーピットイン、もはやポイント圏外となった後は集中力を欠いたドライビングで結局13位完走でノーポイントに終わってしまいました。イタリアでのピット作業のまずさも記憶に新しいうちに、それを凌ぐ大きなミス…CS中継でレース後の川井ちゃんのコメントの何と辛らつだった事か(苦笑)
フェラーリはK.ライコネンも残り3周でクラッシュしてリタイア(15位完走扱い)となった為、コンストラクターズポイントでもマクラーレンに1ポイントリードされてしまうという最悪の結果となったのです。

そして、日本勢。
2週間後の日本GPを控えて何とか不振脱出のきっかけを掴みたいホンダは、J.バトンが12番手からのスタートで9位完走と久々のシングルリザルトで終わったものの、18番手スタートのR.バリチェロは14周目でリタイアに終わってしまいました。予選から決勝を通じて両者の結果がはっきりと明暗分かれてしまったので一概に比較は出来ませんが、わずかながらもマシンの戦闘力は前進している様ですので、残り2週間の間に富士で一瞬でもホンダの意地を見せられるような状態までマシンのパフォーマンスを高めて欲しいものです。
ルノーと並んでコンストラクターズポイント4位で終盤戦を迎えたトヨタは、J.トゥルーリが11番グリッドから1ストップ作戦で一時はトップに立ったものの終盤マシントラブルで無念のリタイアとなりましたが、7番グリッドからスタートしたT.グロックが荒れたレース展開の中で4位入賞を果たしました。アロンソの優勝でコンストラクターズポイントはルノーに5ポイント先行されてしまいましたが、マシンパフォーマンスはまだまだ好調を維持しているようですから、自分の庭となる次戦の富士での走りには充分期待が持てます。
自己最高位となる予選10番手からスタートしたウィリアムズの中嶋一貴クンも、荒れたレースをしぶとく走りきって、終わってみれば8位入賞という、ホームグランプリを前に弾みとなるポイント獲得を果たしました。チームメイトのロズベルグの走りと合わせて、正直今回のサーキットはマシンと相性が良かったんだな(苦笑)というのが宗田の感想ですが、富士では仮にマシンとの相性がどれだけ悪かろうと、地元のファンの前でデビューイヤーの集大成を見せて欲しいものです。

最後に宗田的に…今回のナイトレースは、もともとヨーロッパのTV中継時間に合わせる為の開催だったのですが、主催者側は今後日本GPも同様にナイトレースで開催したいとの意向を口にしたとか。でも、宗田としては明るい空の下で走ってこそのF1だと思うんですけどねぇ(笑)
posted by 宗田本一郎 at 02:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年シーズン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月29日

第14戦 イタリアGP



F1ヨーロッパラウンドもいよいよ最終戦を迎えました。前週からの連戦の舞台は伝統のイタリアのモンツァサーキットです。ロングストレートを低速シケインと中高速のカーブで繋いだレイアウトは、今やF1では唯一と言っていい高速サーキットです。当然、マシンはリアウイングを寝かせたり空力パーツを外したりと、ダウンフォースを減らしてスピードを稼ぐ方向でセッティングされますので、エンジンには前戦ベルギー以上に負担がかかります。その一方でシケインでは急激にスピードを落として通過しなければならないので、ブレーキやタイヤにもそれ相応の負担がかかります。

日本での中継では初めて、開催中ずっと雨が続いた今回のイタリアGPは、予選から波乱の連続でした。
予選第2ラウンド終了時点で、ドライバーズタイトルを争うマクラーレンのL.ハミルトンとフェラーリのK.ライコネンがトップ10に残れず、ただ1人最終ラウンドに進んだフェラーリのF.マッサも6番グリッドと奮わぬ中、ベルギーでダブル入賞を果たすなど着実に力を蓄えてきたトロロッソのS.ヴェッテルがF1史上最年少のポールポジションを獲得、僚友S.ブルデーも4番グリッドという、まさに予想外の展開を見せたのです。

そして、朝から小雨が降り続く中、セーフティカー先導でスタートした決勝レースも、セーフティカーが下がってからはポールポジションのヴェッテルが最後まで全く他を寄せ付けずにトップチェッカーを受け、F1史上101人目にして史上最年少のウィナーとなったのです。予選で他のドライバーが下位に沈んだ事やウェットコンディションに助けられた、あるいはレッドブルという潤沢なプライベートチームの後ろ盾があったからという声もありますが、天候の変化を見ながら戦略を立ててそれをしっかり実行に移すというのは、トップチームでも決して簡単なことではありません(特に今季のフェラーリはそんな感じですよね・苦笑)
レース前に立てたピット戦略を基にして、徐々に乾いてゆく路面状況とウェットタイヤの減り具合、そして残りのガソリン量を的確に把握してピットに呼び込み、コンマ1秒でも早く給油とタイヤ交換を済ませるという一連の作業を、レースの流れに応じて柔軟に対応する…チームとしてはトップチームは勿論、現在コンストラクターズポイントを争う他の中団チームに対しても充分なリソースを擁していなくとも、やるべき事をやるべき時にしっかりと実行出来るだけのチームポテンシャルがしっかりとあったからこそ、また(純粋な自前のシャシーではありませんが)トラブルさえ無ければ上位チームとも互角に闘えるだけのポテンシャルを持ったマシンだからこそ、そして経験こそ少ないものの、チームが立てた戦略を実行できるだけ実力を持ったドライバーがステアリングを握っているからこそ、これまでの努力をこのような結果に結びつける事が出来たと宗田は見ています。
2位にはハンガリーで初優勝を果たしたマクラーレンのH.コバライネンが、そして3位にはカナダで同じく初優勝したBMWザウバーのR.クビサが入り、今回のポディウムには非常に新鮮な顔ぶれが並びました。

ドライバーズタイトル争いも、今回のヴェッテルの初優勝に半ばかすんでしまった格好となりました。
ポイントリーダーのハミルトンは、15番グリッドから半ば無謀とも見えたオーバーテイク(レース後あからさまに非難するドライバーもおりました・苦笑)とギリギリまでピットインを遅らせる事で何とか7位入賞にこぎつけましたが、6番手スタートから6位入賞したポイント2位のマッサにはあと1歩届かず、この結果ハミルトンがわずか1ポイント差マッサをリードして終盤戦を迎える事となりました。
また、14番グリッドからスタートのライコネンはハミルトン同様に後方からの追い上げを見せたものの、ポイント圏外の9位完走に留まり、これで事実上タイトル争いからは脱落してしまいました。

そして、日本勢。
あまりに開いたマシンの差を雨天で多少は埋められるかと思われたホンダは、マシンセットアップの変更でピットスタートとなったJ.バトンが15位完走、16番手からスタートのR.バリチェロもイギリスと同じように早めにスタンダードウェットタイヤやドライタイヤに変えて上位を狙いましたが全て裏目で17位完走に終わってしまいました。もはや失うものは何もないし、正直ファンも飛躍的なポテンシャルアップは残念ながら期待してはいないでしょうから、残り4戦はある意味なりふりかまわずで日本のモータースポーツの代名詞に恥じない走りを見せて欲しいです。
中団グループで頭一つ抜け出た格好のトヨタは、予選でJ.トゥルーリが7番手、T.グロックが9番手と共にトップ10からスタート、エクストリームウェットタイヤのまま1回ピットイン作戦をとったものの、予想外の路面の乾きにスタンダードウェットタイヤ交換を余儀なくされ、結局トゥルーリが13位完走、グロックが11位完走と予選の好グリッドを生かせませんでした。予定外のタイヤ交換をアンラッキーと見るか作戦ミスの結果と見るかは判断が分かれるところでしょうが、お膝元での日本GPも迫る中、気持ちを切り替えて終盤戦に臨んで欲しいです。
バトンと同じくセットアップ変更でピットスタートとなったウィリアムズの中嶋一貴クンは、前半ペースが上がらなかった事が最後まで響いて、12位完走に終わりました。ムラのあるマシンパフォーマンスに振り回されて未だに実力が充分発揮出来ていない様に見えるのが少々気懸かりですが、こちらも初のホームグランプリに向けて、ドライバーとして1つでも上のステップに上がってくれることを期待します。

最後に宗田的に…現在発売中のF1情報の月刊誌「グランプリトクシュウ」に「日本GPに向けてどんな準備をする?」というお題に投稿したコメントが掲載されました(笑)
posted by 宗田本一郎 at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年シーズン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月28日

第13戦 ベルギーGP



ヨーロッパラウンドもいよいよ終盤となり、F1は伝統のコースでの2連戦を迎えました。まずは1周が7kmを超えるベルギーのスパ・フランコルシャン。昨今のサーキットの主流である中低速コーナー主体の「ストップアンドゴー」レイアウトとは異なり、高速から低速までバラエティに富んだコーナーとロングストレートの組み合わせに大きな高低差が加わっていて、近年の安全対策に対する改修を経てもなおドライバーにはチャレンジングなコースとして評判の良いサーキットです。その分、エンジンにかかる負荷は大きく、マシンには通常よりも高い耐久性が要求されます。また、コースの一方では雨が降っていても他方では降っていないという、俗に「スパ・ウェザー」と言われる天候への対策もレース戦略では重要なファクターとなります。

スタート前に雨が降り、路面がぬれた状況でスタートした決勝レースは、まさにそのスパ・ウェザーに翻弄された結果となりました。
ここ数戦精彩を欠いている一方でこのコースとは非常に相性のいいフェラーリのK.ライコネンが4番グリッドから上手くスタートダッシュを決めると、2周目にはポールポジションからスタートしたマクラーレンのL.ハミルトンが1コーナーでハーフスピンしたのに乗じて差を詰めるとその後の高速区間で一気に抜いてトップに立ち、そのまま後続との差を広げていきます。ハミルトンも何とか食い下がりますが、それ以上にライコネンのペースが良く、更に1回目のピット作業からコースに戻ったところで間に他のマシンが入ってしまったことでライコネンの先行を許してしまいます。
ところが、2回目のピットインでハード側のタイヤを装着したところからレースの流れが変わり始めます。それまで今一つペースが上がらなかったハミルトンの方がライコネンよりも速く、みるみる差を詰めていったのです。そしてレースが残り6周となったところで、レース前に降っていた雨が再び降り始めると両者の差は一気に縮まります。残り2周の最終シケインでハミルトンがライコネンのインに飛び込みますが、そこで抜けずにそのままシケインをショートカットしてライコネンの前に出てしまいます。現在のF1のレギュレーションでは、シケイン不通過で他車の前に出た場合は抜いた相手を先行させなければなりません。ハミルトンも一旦はライコネンを前に行かせるのですが…

短いホームストレートでライコネンが前に出たその瞬間、ハミルトンが加速の鈍ったライコネンに並ぶと第1コーナーで前に出てトップに立ちました。その後強くなった雨脚でぬれた路面にマシンを滑らせ、互いにコースアウトしながらトップを争う2台でしたが、ついにライコネンが最終コーナー近くでコースアウトするとそのままウォールに激突してリタイア(完走扱いで18位)となってしまいました。
ハミルトンはペースを落とすとそのままトップでチェッカーを受けますが、シケインショートカット後にライコネンをパスした行為に対して、レース後に25秒加算のペナルティーが課され、結果3位入賞となりました。(マクラーレンはこれを不服として提訴しましたが受理されず、レース結果は確定しました)ライコネンのリタイア後、ハミルトンと同じようにペースを落としてチェッカーを受けたフェラーリのF.マッサが繰り上がりで今季5勝目を挙げ、残り1周でウェットタイヤに履き替えて一気の追い上げで4台をごぼう抜きしたBMWザウバーのN.ハイドフェルドが同じく2位に繰り上がったのです。
ハミルトン(とマクラーレン)としては、一旦ライコネンを前に出してから抜いたのだからペナルティーには当たらないという考えなのでしょうが、シケインをショートカットして不当にアドバンテージを得たことでライコネンをオーバーテイク出来たというのがペナルティーの根拠であり、また他のドライバーもこのペナルティーには概ね肯定的です。確かにコースアウトという失態を見せたすぐ後にコーナーでインを差してライコネンを抜いたシーンはこのレースでの見せ場ではありましたが、2回目のピット作業後の両者のペースを考えると、あそこでオーバーテイクを仕掛けなくても他で充分に抜けるチャンスはあったと宗田は思いましたし、ハミルトンはカナダGPでのペナルティーとそれに対するコメントで少なからず心象を悪くしているわけですから、このような場面でもう少し慎重になるべきだったでしょうし、そうできなかった辺りが今後タイトル争いが大詰めを迎える中での彼のウィークポイントになりかねないと宗田は見ています。

何かすっきりしない結果に終わった中で、今シーズン初めて2台揃って予選でトップ10に残り、レースでもダブル入賞を果たしたトロロッソ(S.ヴェッテルが5位、S.ブルデーが7位)と、ハイドフェルドと同じくラスト1周でウェットタイヤに履き替えて4位を守りきったルノーのF.アロンソの走りの方が宗田には印象的でした。

そして、日本勢。
「雨が降ってくれれば他のマシンと何とか戦える」というような、あまりに情けないコメントをレース前に出していたホンダは、望み通りの展開になったもののJ.バトンは17番手スタートから15位完走、R.バリチェロは16番手からレース中盤でギアボックストラブルの為リタイアと、同様に雨が降ったイギリスGPとは対照的に全くいいところ無くレースを終えました。残念ながら現状では、上のチームを追いかけるよりも後ろに迫ってきたフォースインディアを抑えているだけで精一杯のようで、観ていて本当につらいです。
ホームレースの富士を控えて確実に調子を上げてきているトヨタは、T.グロックが13番グリッドから8位でチェッカーを受けながらライコネンリタイア時のイエローフラッグ(追い越し禁止)区間での追い越しがあったとして、ハミルトンと同様に25秒加算のペナルティーで9位完走とされ、J.トゥルーリは11番グリッドから見事なスタートダッシュを見せて第1コーナーでは4番手に上がったものの、その後最終シケインでブルデーに追突されたことでマシンバランスが狂ったようで、あとはペースが上がらずに16位完走に沈んでしまいました。恐らくは昨年同様に日本GPではいわゆる「富士スペシャル」を準備している事でしょうから、コンストラクターズポイント4位という現状をなんとか維持して、これから終盤に臨んで欲しいです。
前回ほんのわずかな差で予選トップ10入りを逃したウィリアムズの中嶋一貴クンは、今回予選最後尾の19番手から1回のピットストップ作戦で上位を狙いましたが、レース終盤の降雨に対する判断が上手くいかず14位完走に終わってしまいました。宗田が何度も言っているマシンパフォーマンスのムラで満足する走りが出来ないのはわかるのですが、まだどうしても予選で1発の速さが出せないところで下位グリッドからのスタートを強いられてしまっている事も否めない気がしますので、早く予選で周囲が目を見張る走りを見せて欲しいものです。

最後に宗田的に…伝統あるスパ・フランコルシャンサーキットを安全性の確保の為にコースを短くしようという案が出ているという噂があるそうですが、それをやったら絶対にドライバーから不評を買うだろうなぁ(苦笑)
posted by 宗田本一郎 at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年シーズン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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